いい湯だな 山越えの温泉
2006年 08月 11日
数名の白装束の行者さんとあいさつしてすれちがいました。
昔からの山岳信仰の山。
・・・・といっても
山に入ると登山道は森林のやさしさが包んでくれます。
岩場の滑りやすいところにはクサリがあります。
幼い頃の冒険を思い出します。
樹林帯のほぼ平坦な道をさがして登ります。
その方が歩きやすいから。
ダケカンバの樹に囲まれると気持ちが落ち着いてきます。
木の枝に目印としてつけられた赤い布の端布れ。
それを頼りにガレた急峻をよじ登ります。
やがて穏やかな森の中のひなびた源泉の宿に
たどりつきました。
数軒の宿が木々に囲まれて建っています。
車も一台がやっと通れる道幅でした。
砂利道の難路で不便なためか
この山奥までは入る人は少ないようです。
江戸時代はワラジ履きで
山越えての街道筋。
馬車やかごに乗った湯治客で
にぎわう温泉場だったそうです。
なべや炊事道具一式を借りました。
慣れない手つきで
ごはんと味噌汁をつくってみました。
鍋の底の焦げたご飯の味は
幼い時代に我さきに姉妹と競って食べたことを思い出しました。
支払いはお米代と素泊まりの宿代と燃料費だけ。
沢の流れに釣り糸をたらすとのんびりとした時間が流れます。
鳥の声と風の音、沢の流れが心地よく耳元でささやきます。
湯船につかっていると、山歩きの疲れがほどよく癒されていきます。
汗でべとついた肌がさわやかにツルリン。
しみじみと生かされていることへの
感謝の念が湧いてきます。
by hanehenID | 2006-08-11 15:14 | 自然を 歩く